総合優勝
山口大学藤田健ゼミ P-tu(富山郁・嘉村優希・藤岡一弘)
2011年のSカレを振り返って
先日、東京で講演をしたときの話です。話を終えて帰り支度をしていると20代後半のスーツ姿の女性が近づいてきて名刺交換を求められました。 いただいた名刺から彼女は大手メーカーに勤めていることがわかりました。聞けば、学生時代に空想生活を使っていたといいます。 彼女は大学を卒業して希望のメーカーに就職したものの、少し悩んでいるようでした。
彼女の普段の仕事は社内の意思決定を行う上司たちの了解を取ることが中心のようでした。 彼女の悩みはせっかくユーザーのために考えた商品案をユーザーに見せずに上司に見せることにあるようでした。 つまりユーザーのニーズの分析結果は、上司の説得に使われるので上司が望むのをついつい考えてしまうというのです。 大手メーカーともなると競合に真似される可能性があるので商品案をユーザーに見せるということはあまり行いません。 彼女は、「上司が考えるユーザーがほしがりそうな商品を考えるプロになりつつあります」、と少し自嘲気味でした。 そんな彼女の話を聞いていて少し残念だったのを今でも覚えています。
就職すると何をするにしても、まず自分の上司の許可が必要になります。上司の許可がなければ、会社のお金を使うことができません。 ですから、皆さんの先輩にあたる彼女が行っていることは至極当然のことなのです。しかし、私はどこかやはり間違っているような気がします。 もっとほかにやりようがあるような気がするのです。皆さんも、後2年もすれば、社会人として活躍されていることと思います。 そして上司を持ってその指揮のもとバリバリと仕事をされていることでしょう。
しかし、是非Sカレで経験したことは忘れないでいただきたいのです。 最終的に買い物をしてくださるエンドユーザーがほしいことをカタチにしてはじめてお金をもらえるのです。 上司も会社も、あくまでもユーザーのほしいをカタチにする手段にすぎません。 そうなんです。上司はあくまでも手段なのです。是非、皆さんには上司を手段として上手に使えるような社会人に育っていただきたいと思います。
皆さんとは、またどこかでお会いすることもあると思います。そのとき是非、名刺交換をいたしましょう。 そして是非、いかに上司を上手に使いこなしてユーザーのほしいものをカタチにしているのかをお聞かせください。
株式会社CUUSOO SYSTEM 創業者
西山浩平